スタッフ紹介

おじいちゃんっ子だから
この仕事が合っていた。
次世代を担う、配送員のまとめ役。

配送員 伊藤駿宏

僕の仕事は、お客様へ昼食と夕食を届ける配送員です。今は、毎日同じコースで配達するのではなく、シフト管理や、休みのスタッフの代わりに入ったり。配送員のまとめ役を任されています。

みやこ食品で働いて、今年で6年目ですね。大学卒業後、新卒で別の会社に就職したのですが、労働環境が原因で退職して。そのあと、派遣のバイトとしてみやこ食品で働きました。そのとき、この仕事をすごく楽しいと感じたんです。

もともと僕は祖父と同居で育っていて、おじいちゃん子なんですね。だから高齢者の方と接するのが好きで。それに、人の役に立てるのも嬉しかった。お客様から毎日のように「ありがとね」と言われるんですが、その一言で大きな充実感を得られます。だから「正社員でやらないか」と声をかけてもらったとき、迷わず入社を決めました。

ちなみに、祖父は健在です。たまに実家に帰って顔を見せてますよ。両親もまだまだ介護が必要な歳じゃないですが、みやこ食品に入ってから、「親孝行できるときにしよう」と考えるようになりました。

お客様から「命の恩人」と言われたことも……

みやこ食品はお弁当屋だけれども、仕事の内容はかなり福祉に近いです。

以前は「お弁当のついでに安否確認」でしたが、今は「安否確認にお弁当がついてくる」くらいに比重が大きくなっています。安否確認サービスの丁寧さでは他社に負けないぞ、という自負がありますね。

実際、配達時にお客様を救ったこともあります。

あるお客様は、足腰が悪くて玄関まで出るのに時間がかかるから、あらかじめ鍵を開けておいてくれるんですね。「勝手に入ってきていいよ」と。

だけどある日、鍵が閉まっていて、おかしいと思いました。チャイムを押して声をかけたら、奥の方でかすかに「助けて」と声が聞こえて。マンションの管理人さんに合鍵を持ってきてもらい、中に入ったら、お客様が椅子とベッドの間にはさまって身動きとれなくなっていたんです。

すぐに助け起こすと、「助かったわ。あなた命の恩人だよ」と言われました。命に関わる状態ではありませんでしたが、僕が入らなかったらもっと発見が遅れていたので、入ってよかったです。その出来事がきっかけで、お客様が前よりも親しく話しかけてくれるようになりました。

また、こんなこともありました。

配達時、お客様の体調が悪そうに見えたんですね。僕が「大丈夫ですか?」と聞くと、うつろな目で「大丈夫」とおっしゃるんですが、あきらかに具合が悪そうだったので、ご家族に連絡しました。ご家族が様子を見に行き、すぐ入院されたようです。

退院後、久しぶりに配達に行ったら、「俺のこと、救急車で運んでくれた人いるだろう」と言われて。「救急車で運んではいないけど、僕がご家族に連絡しましたよ」と言ったら、またもや「命の恩人だ」と言われました。そのお客様は、今も元気にお弁当を食べています。

そういうこともありますが、本当は、なにも起こらないのが一番ですね。「今日も無事だった」で終われたら、それに越したことはないです。

「お客様」ではなく「○○さん」と名前で呼ぶ理由

お客様によっては、配送員がお弁当を枕元まで届けることもあります。「玄関まで歩くのが難しい」と合鍵を渡してくれる方や、鍵の場所を教えてくださる方も。

普通に考えたら、家族でもない人間を家にあげるなんてありえないですよね。だからこそ、お客様と信頼関係を築くことを大切にしています。

そのために気をつけているのは、膝をついて、お客様と同じ目線でお話しすること。特に初対面の方とは、絶対に目を合わせます。

後輩には、「お客様」ではなく「○○さん」と名前で呼ぶよう指導しています。お名前を呼んで接してると、お客様も「伊藤さん」と呼んでくれるんですよ。名前で呼び合うのが、信頼関係の第一歩だと思います。

お客様からの頼まれごとは、リスクが高いことはできませんが、簡単なことなら引き受けます。よくあるのが、「ペットボトルのキャップを開けてほしい」というお願い。買ったばかりのペットボトルってキャップが固いけど、いったん開けて閉めると、少しゆるくなるじゃないですか。僕が行くと、ペットボトルを10本用意されていたこともありました(笑)

今後はもっと、困りごとに手を貸す方向に行けるかな……と思っています。

たとえば、冷蔵庫に古い食べ物が入っているお客様が多いんですね。食べると、お腹を壊してしまう。だから、配送員からは「冷蔵庫の中を整理するサービスもやりたいよね」って話が出ています。ゴミが出るし時間も使うから、現状はなかなか難しいんですが、やがては実現したいですね。

実現したら、ますますお客様に喜んでもらえると思います。