スタッフ紹介

お客様との会話が楽しい! 
配食と安否確認を支える、
縁の下の力持ち

事務員 小田礼

私の仕事は、お客様のデータを管理し、厨房や配送員に伝達することです。ときには、ご家族様や区の職員の方とやり取りをすることも。お客様との間をつなぐパイプ役ですね。

お弁当はキャンセルや追加など数に増減があるため、翌日に作る数を出して厨房に伝えます。普通食・きざみ食・ムース食がそれぞれどこにいくつか、絶対に間違えられません。また、配送員が持って行く“配送明細”を作るのも私の仕事。お弁当を配る順番などを記した明細です。

また、事務所にかかってきた電話を受けたり、“安否確認サービス”に関わる業務もあります。

“安否確認サービス”の基本的な流れとしては、配達時にお客様がご不在だったとき、配送員が事務所の留守電に「○○さんがご不在でした、昨日の容器は出てます」などと状況を吹き込みます。それを聞いた事務員が、確認の電話をしていきます。ご本人が出ればOKだし、出なければ緊急連絡先に電話します。ご家族やケアマネージャーさんなどですね。

倒れているところを配送員が見つけて、一命を取り留めたお客様もいます。そういうときは、とても感謝されますね。ですが、配送員が部屋に入ったら、すでにお客様がお亡くなりになっていることも……。そういう場合でも、ご家族から「みやこ食品さんのおかげで発見が早かった」と感謝されることもあります。
いつも心に留めているのは、「お客様によって事情はそれぞれ」ということ。画一的なマニュアル対応ではなく、ケースバイケースで柔軟に対応するよう心がけています。

会ったことはなくても、
お客様とつながっている

私は事務所にいるので、直接お客様に会うわけではありません。それでも、印象に残っている方はたくさんいます。

ある方は警戒心がとても強く、最初は配送員がお弁当を届けに行っても、ドアを開けてくれなかったそうです。だけど、配送員が毎日話しかけてるうちに少しずつ心を開いてくれて、やがて会話ができるようになって。区の職員さんから、「みやこ食品さんがお弁当を届けるタイミングに合わせて訪問したい、じゃないと会ってもらえないから」と言われて、私が段取りをしたこともありました。

お客様が心を開いてくれるのは嬉しいですね。その方は亡くなってしまったのですが、最初が手強かっただけに、とても印象に残っています。

人と話すのが好き!
ただ会話を楽しんでいます

お客様とのコミュニケーションが難しいときもあります。

たとえば、認知症のお客様が「お弁当が届いてない」って電話をかけてくるんですね。ご自身で食べてしまったんですが、それを忘れてらっしゃる。どう説明したら納得していただけるか、必死で考えます。

あるときはデザートがぶどうで、「ぶどうの皮ありませんか?」と尋ねたら「ある」とおっしゃって。「それが今日の夕食ですよ」と伝えたら、「じゃあ食べちゃったのかしら」と納得していただけたんです。

だけど、それで納得できないお客様もいる。そういうときは、「納得させてあげられなくて申し訳ない」と思います。だって、本当はお弁当が届いていても、お客様にとっては「ごはんを持って来てもらえない」わけだから。電話しても真摯に対応してもらえなかったら、悲しいじゃないですか。なので、時間がかかっても、なるべく納得していただけるようにお話します。

中には、長い時間お話されるお客様もいらっしゃいます。業務に差し支えない範囲であれば、話を聞きます。人の話を聞くのが好きなので。

以前、お弁当が来るまで5分おきに電話をくれる方がいたんです。とても可愛らしい声で「みやこ(食品)さん、今日来る?」って。「行きますよ」と答えると納得してくださるんですが、また5分後に電話が来る。ちょっと困るけど、まったく苦ではありませんでした。

この仕事は、社会的に意義のある仕事だと思います。けれど普段はそんなに深く考えてはいなくて、ただお客様との会話を楽しんでいます(笑)